コラム

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「わたしの一枚」ってどんな写真?

家族写真や卒業アルバム、何気なくとったスナップ写真など…時が経つほど大切になる写真。
日頃からお客さまの思い出づくりのお手伝いをしている写真館のみなさんに尋ねました。
「わたしの一枚」ってどんな写真?

怪盗キッドを捕まえろ!

スタジオを改築した際、物置できれいに2つに畳んだ状態で発見。 お客様の写真には近づくだけで怒られたが身内の写真には寛大な福田家。

3キロほど離れた自宅からお店に来ると、郵便受けにあるはずの朝刊がない…。
10年くらい前だろうか、成人式も終わった冬の日。あまり気にしなかったが翌日もない…。勿論、新聞屋さんは配達してるとのこと…。毎日ではないが、ちょくちょくなくなったので警察に相談?…してもつまらないのでこの手で犯人をとっ捕まえることに決定!翌日から早朝の張り込みが始まる。
5時、気温は氷点下20℃以下。車で少し離れたところからずっと見ていたのだがその日は現れなかった。翌日も…。今度は車で回ってみた…来ない。そもそもこんな時間に人なんて歩いていない…。ん~~バレてるのかな?と思ってあきらめようと郵便受けを見ると今あった新聞がない!慌てて辺りを見回すも誰もいない!
おいおいマジかよ…。こそ泥と思ったけど本当はとてつもない奴なのか?怪盗キッドに違いない。この手でとっ捕まえてやるぜ!
寒いので当時お店の3階に住んでいた母の部屋から見張ることに…流石に毎日というわけにはいかなかった。 「変な人で怪我でもしたらどうするの?」「大丈夫、大丈夫!」。何が大丈夫かよくわからないが張り込みが続く。
「お茶でも飲む?」。窓から外を見ながらお店のことや孫の話で盛り上がる。そんなことでちょっと目を離した隙に新聞なくなってる…。おのれ~怪盗キッド!いや、かーちゃんほっといて!
しばらく頑張ったが、たまたま店の前におまわりさんが歩いていたので相談、
「自分、夜勤なんで朝張り込みます!」。
翌朝、吹雪。おまわりさん大変だな~zzzz。ゆっくり起きてお店に着くと…ない…。おまわりさんがやってきて「吹雪だったので…来ないですよね!え?なくなってるんですか?」。むったりとうなずく私。申し訳なさそうに帰るお巡りさん。頼むよ~。
翌朝、携帯が鳴る、「捕まえました~!」。刑事さんやら8人で張り込んだとのこと、さてさていったいどんなすごい奴だ?…ん?私の怪盗キッドは怪盗にはほど遠いしょんぼりした老人だった。
母は「良かったね~~」と言いつつもちょっと寂しそう?
当時、脳腫瘍で余命宣告されていた母。病気になる前は写真のことでぶつかってばかり、でもそれも健康だからこそ。その後、亡くなってしまいましたが、忙しいといってあまり話もしてなかったので、数日ですがいろいろ話が出来たこと、泥棒に感謝?。
小さい頃、忙しい母とあまり遊んでもらった記憶はありません。
高校生の時、仕事から帰ってフライパン片手に私の好きな尾崎豊を口ずさむ母、自然とリズムをとっていた私の足。いろいろな思いや葛藤もあったのだろうけど、
うまく伝える事、聞くことが出来なかった。
今、長男が高校生。彼は何を考え、どう生きていくのか?最近、遊んでくれなくなった…(笑)。

四十数年前、かわいい私と優しそうに見える母親、仲が良さそうに見える(笑)大切な「私の一枚」

関東写真館協会(KPA展) で賞も頂きました。楽しんで撮影できるようになった当時が蘇ります。

福田 鎌一郎(北海道北見市 (有)福田写真館)